「透明なカルピス」「透明なレモンティー」に見る解体と創造


見た目は透明な水なのに飲んでみるとヨーグルト味だったり、カルピス味だったり…。ここ数年、ヨーグルト味の水や、コーラ味の炭酸水、透明なカルピスなど、見た目には水なのに飲むとしっかりとその味がするという飲料が発売され、売り上げを伸ばしています。

それは一昔前には考えられなかったことなのですが、2010年にミネラルウォーターブランドの「い・ろ・は・す」から「い・ろ・は・す みかん」が発売されて以降、フレーバーウォーターの市場は伸び続けていると言います。

そこにはまさに今までの固定概念を覆す解体と創造がありました。

 

透明なカルピス?ヨーグルト味の水?

2015年には「透明な水なのに飲んでみるとヨーグルト味」という「サントリー 南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」が大ヒットしました。そして2016年に登場したのが「透明なカルピス」だという「アサヒ おいしい水プラス『カルピス』の乳酸菌」です。

どちらも今までのフレーバーウォーターとの大きく違う点は、乳成分を含む「ヨーグルト」「カルピス」など白濁色をイメージしがちなものを、透明にしてしまった点です。

これまでは「い・ろ・は・す」のフレーバーウォーターシリーズに代表されるように、ミネラルウォーターに香料や酸味料、糖類などに加え、みかんエキスや桃エキスなどのフルーツエキスを添加した「フルーツフレーバー」が一般的でした。

それが、透明なイメージからははるかに遠い、ヨーグルトやカルピスをフレーバーウォーターにしてしまったんです!

「ヨーグリーナ&サントリー天然水」は北海道産のホエイ(生乳)を使用し、そのホエイを乳酸菌発酵させることにより、ヨーグルトの味わいを出しました。

「おいしい水プラス『カルピス』の乳酸菌」は、カルピスの製造工程で作られる「カルピス酸乳」を配合し、乳酸菌由来の爽やかな酸味と同時に、発酵の時に出るあのカルピスの香りも出しています。

どちらも牛乳由来の成分を使用しており、特にカルピス酸乳はそもそもが白濁しているためそれを透明化するのはかなりの苦労があったそうです。

それでもあえて「透明」にこだわる…。

そこにはヨーグルトやカルピスが透明なはずはないという固定概念を打ち崩し、ヨーグルト味の水や透明なカルピスを作り出すという、まさに「解体と創造」がありました。

 

さらには透明なレモンティー?

さらに今年、もう一つの新しいフレーバーティーが発売されました。
それが、透明なレモンティーの「サントリー天然水 PREMIUM MORNING TEA レモン」です。

こちらはパッと見た感じでは、炭酸飲料かな?とも思うようなパッケージで、今までのフレーバーウォーターのイメージとは少し異なる気もします。

今までのフレーバーウォーターは、「見た目が子供っぽいため、職場のデスクに置くのはちょっと…」という声もあったそうで、そこでボトルパッケージは大人っぽいスタイリッシュなデザインが採用されています。

それにしても、透明な紅茶なんて、本当に紅茶の成分は入っているんだろうか?香料で紅茶の香りをつけているんじゃないか?と思い、ボトルの原材料名の表記を見てみると…。

入っていました。ちゃんと「紅茶」と書いてありました。

紅茶が透明だなんて本当にびっくりです

 

実際に飲んでみました

気になるときにはやはり自分自身で体験してみるのが一番です。ということで、今回は話題のフレーバーウォーターの中から3種類を飲んでみました。

まずは安定の人気の「ヨーグリーナ&サントリー天然水」です。
飲んでみると、酸味もヨーグルト感もしっかりあるのに、さらっとしていて非常に飲みやすく、人気の理由もうなずけます。

続いては、「サントリー天然水 PREMIUM MORNING TEA レモン」ですが、こちらはキャップを開けると香りはレモンティーそのもの。でも味はどうなんでしょう?と飲んでみると、しっかりレモンティーでした。

有機レモン使用とのことで、レモンの香りもさわやかです。甘さは通常のレモンティーよりも控えめですっきりしているので、オフィスのランチで飲むのにもいいと思います。

最後に「ウィルキンソン ドライコーラ」。これはまさに「甘くないコーラ」という感じで、「透明なのにコーラ」「コーラなのに甘くない」という二つのギャップに一瞬戸惑いました。
全く甘くないコーラなので、お酒を割るのにはいいかもしれません。

これからまだまだ進化しそうなフレーバーウォーターの市場。ドリンク業界の解体と創造はまだまだ続きそうな気がします。

今後は一体どんな驚きのフレーバーウォーターが出てくるのか、次がちょっと楽しみですね。