あなたの家の周りは大丈夫?空き家対策特別措置法を紹介!


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ニュースなどでも空き家の問題が取り上げられているのを見たことがあるという方もいらっしゃると思います。近年、空き家が問題視されているということを受けて「空き家対策特別措置法」という法律が設けられました。

でも、そもそも空き家って何が問題なのでしょうか?空き家を所有している人はどうするべきなのでしょうか?

今回はそんな空き家問題についてご紹介します。

 

空き家の問題点

空き家と言ってもきちんと管理され定期的にメンテナンスを行っている空き家はいいのですが、管理のされていない空き家では様々な問題やトラブルが起こります。実際にはどのような問題が起こっているのでしょうか?

建物の劣化

耐用年数を過ぎた建物やブロック塀などは劣化により強度が低下し倒壊の危険があります。コンクリートの耐用年数は約40年ともいわれており、木造よりも寿命が短いともいわれています。風雨にさらされ手入れもされなかった場合には震災や台風などの自然災害により簡単に倒壊してしまう恐れがあります。

壁がはがれて隣家に落ちた、強風により屋根の一部がはがれて車を傷つけた、など建物の劣化によって引き起こされるトラブルも数多く報告されています。

害虫・害獣の被害

空き家はゴキブリなどの害虫や、ネズミ、ハクビシンなどの害獣にとって絶好の住みかとなります。空き家の中で害虫や害獣が繁殖することによって、その被害が近隣へと拡大してしまうこともあります。また害獣の糞などにより悪臭が出たり、衛生面での懸念も多々あります。

防犯上の懸念

空き家は放火犯の標的になりやすい傾向にあります。また空き家に残された荷物などを狙って窃盗犯などが侵入することもあるかもしれません。

いずれにしても空き家があるということで防犯上に不安を抱える近隣住民は多いのです。木造の一軒家が放火犯の標的となり、近隣を巻き込んだ大規模な火災へと発展してしまったというケースもあります。

景観の悪化

雑草や樹木が伸び放題になっていると見た目にも良くないですよね。伸びた草木が隣家へ侵入しトラブルになるというケースもあります。また住宅地に一軒の放置された空き家があることで、近隣の売地の値段がつかないなどという話もあるようです。近所に景観を損ねる不衛生な空き家がある場所に住みたいと思う人はいないでしょうからね。

これらの理由により近隣住民に迷惑や損害を与えてしまった場合、迷惑料や隣家の補修などといった賠償トラブルが発生することもあります。そのため空き家は放置せず、適切な管理や対策をとっていくことが必要です。

 

空き家対策特別措置法とは?

全国で増え続ける危険な空き家。放置すれば倒壊や治安悪化の恐れもあることから本格的な対策に乗り出そうと施行されたのが空き家対策特別措置法です。

この特別特措法では問題があるものを「特定空き家」として認定し、物件の持ち主には、修繕や撤去の指導や勧告、命令ができるとしています。命令に従わなかった場合には、行政が強制的に撤去し、その撤去にかかった費用を持ち主に請求できる「代執行」も可能にしています。

またこの空き家対策特別措置法により大きく変わってくるのが税金です。これまでは「住宅用地の特例」によって、住宅が建っていれば固定資産税が最大で6分の1、都市計画税が最大で3分の1、それぞれ減額されていました。ところが特別措置法により「特定空き家」と認定されると、この税金軽減措置の対象外となってしまいます。さらに放置し続ければ指導や命令を受けることになります。

どんなにボロい空き家でも建物さえ立っていれば税金が軽減されてたという時代は終わり、これからは老朽化した空き家は何とか対策を考えないと逆に税金やその他の費用が掛かってしまう、そんな時代に入ったということではないでしょうか。

 

空き家の解体工事は必要?

ここまで見ていただいた通り、空き家にはさまざまな問題があり、また近年施行された空き家対策特別措置法によりそのままずっと空き家を放置しておくのも得策ではないということがお分かりいただけたかと思います。

では、今ある空き家は解体工事で更地にしてしまった方がいいのか、適切な管理のもと空き家を維持していくのか、どちらがいいのでしょうか?それでも解体工事で更地にしてしまったっ方がお金がかかってしまうのでは?という考えの方も多いようですが、実際のところはどうなのでしょうか?

解体工事を行い更地にすることで土地の用途が変わり税金の額も変わってきます。その際には金額が高くなると思われる方も多いと思いますが、必ずしもそうとは限りません。固定資産税は「土地」と「建物」の価値から算出されるため、空き家を解体して更地とした方が安くなることもあります。

  • 解体工事前の支払額
    建物の固定資産税+土地の固定資産税(6分の1まで減額あり)=支払う固定資産税
  • 解体工事後の支払額
    土地の固定資産税のみ(工事前の最大6倍)=支払う固定資産税

さらに空き家を管理し続けるリスクと、いつ倒壊の危険があるかもしれないという不安、そして万が一の場合の賠償などを考えれば、空き家を解体するのは損とは一概には言えないのではないでしょうか。

 

まとめ

今回は全国で急増しつつある空き家問題について考えてみました。

空き家対策特別措置法の施行により、特定空き家は税金の軽減措置の対象外となってしまったり、さらにいつまでも適切な対応をとらないでいると罰金の対象になったりと、今までのように老朽化した空き家をそのままにはしておけない時代になってきました。

自治体によっては解体費用の助成を行うなど、国と地方自治体が率先して空き家対策を推し進めている今だからこそ、解体工事を検討してみるのもいいかもしれませんね。