建物を解体して土地を売却するときのポイント


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不動産を売却する際、建物付きで売るのか、それとも建物を解体して更地で売るのか、迷っているという方もいらっしゃるかもしれません。

一般的には古い建物が建っている土地より更地の方が買い手もつきやすく、そしてより高い価格で売ることができると言われています。もちろん、古家そのものに価値がある場合や、一度建物を解体してしまうと住宅用として使えない土地だという理由から、解体してしまうのはデメリットにつながるという場合もありますが、多くの場合は建物を解体しておくことはメリットにつながります。

それでは、より高く土地を売却するためには、解体工事の際にどのようなことに気を付けるとよいのでしょうか?

 

解体工事はどこに頼むのがいいのか

解体工事をする際、どこに頼んだらいいのか、実はこれが一番重要なことでもあります。残念ながら解体工事の施工業者の中には、悪徳な業者も未だに数多く存在しています。そういった悪徳業者に引っかかってしまった場合、ずさんな解体工事により土地の値段が付きにくくなったり、後から思わぬリスクを背負うこととなってしまったという場合もあります。

解体工事には建物の下に隠れている「地中埋設物」の撤去作業というものがあり、主な埋設物には浄化槽や便槽、建物の解体時に残された廃材などがあります。ずさんな解体工事によりこれらが撤去されていなかったり、さらには建物の解体が不十分で建物の基礎をきちんと除去出来ておらず、地中に埋まったままだったりした場合、土地の売却後にその責任が問われることになります。

土地の中は目に見えない部分ですので売り手の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)となり、除去費用はすべて売り手側が負担することとなります。他にも、樹木の根が地中深くに張ったままで除去できていない、大きな庭石が撤去されずに置いたまま…などなど、ずさんな解体工事により土地の価格が下落してしまう場合もあります。

解体業者を選ぶ際に、特に注意が必要なのが、他社よりも極端に安い価格を提示してくる業者です。安い価格で工事を請け負う業者の中には、解体工事で発生した産業廃棄物を山林などに不法投棄して処理費用を安くしている業者もいます。さらには産業廃棄物を解体家屋の敷地内に埋められてしまった、というケースもあります。解体工事現場に廃棄物を埋設されてしまった場合、その後の売却時のトラブルへとつながることは目に見えていますよね。さらにどちらのケースも不法投棄となり施主であるあなたも罰則を受けることとなります。

また「全国どこでも対応します!」などという広告を見かけたことのあるという方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に日本全国に自社の職人を抱えている解体業者なんてありません。そういった業者はお客様から相談を受けた後、作業は各地域の下請け業者にすべて任せて手数料を取るだけで、トラブルがあった際にも責任を取ってくれません。

解体業者を選ぶ際には、悪徳業者に引っかからないように、そして初めの相談から解体工事、工事後の対応まで一貫して請け負ってくれる、良心的で安心できる解体業者を選びたいですね。

 

解体費用助成金について

建物を解体するにはそれなりに費用が掛かります。その解体費用が自治体によって助成されるかもしれないってご存知でしたか?

老朽化した空き家に潜む危険の防止と空き家や敷地の資産活用を促すために「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されましたが、じつは解体費用の補助金交付は、空き家対策特別措置法以前から行われており、空き家再生等推進事業という名目で国が補助をしています。

老朽化した空き家の解体をお考えでしたら、所有する物件の自治体で助成金事業が行われていないか確認してみることをお勧めします。

補助金の金額は自治体によってまちまちですが、30万円~100万円程度までが多く、最大でその半額を補助する制度もあります。条件も自治体によって様々ですので、まずは自治体のホームページなどで確認してみるとよいでしょう。

 

まとめ

今回は建物を解体して土地を売却するときに気を付けたいことについてご紹介しましたが、なんといっても一番は信頼のできる解体工事業者に依頼をするということです。解体後にどれだけ綺麗に整地されているかは、その土地の評価額に直接影響します

売却する土地というのはそれ自体が商品ですので、美しいほうが当然、買い手も見つかりやすいですよね。「荒れた土地だから購入後に手間と費用がかかる」などと言われて値引きされる事のないよう、解体後の最後の整地まできちんときれいに行ってくれる解体業者を選びたいものです。

また、老朽化した空き家などに対しては、解体工事を行う際に補助金や助成金が出る場合があります。すべての解体工事に対して利用できるわけではありませんが、しっかりと確認したうえで、抑えられるところはしっかりと抑えたいですね。