建物を解体して売却するべきか?中古の家として売却するべきか?


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土地を売却しようと考えたとき、建物を解体して更地として売却したほうがいいのか、それとも中古の家付きとして売却したほうがいいのか…。こういった悩みをお持ちの方も多いと思います。

一般的には、古い建物が立っている土地よりも更地にした方が買い手もつきやすく、より高い価格で売ることができると言われていますが、実際のところはどちらの方がいいのでしょうか?今回はそれぞれのケースについてどちらがいいのかを考えてみましょう。

 

中古一戸建てとして販売

不動産のチラシなどを見ていると「中古一戸建て」として売り出されているものと「古家付き土地」として売り出されているものがありますよね。まずはこの違いについてです。

この二つに明確な違いはないものの、一般的には「中古一戸建て」として売り出されているものは平成に入ってからの建築で現在の耐震基準を満たしているもの、それに対して「古家付き」の「土地」として売り出されているものは、昭和に建てられたものが多く、あくまでも販売されているのは「土地」であってそこに現状は「古家」が建っているということのようです。

もしも築年数が20年以内であれば「中古一戸建て」として売りに出されるのがいいでしょう。傷ついたクロスなどを少し張り替えるだけで、十分に魅力的な物件になります。

しかし、築年数が30~40年の建物だった場合はどうでしょうか?古家付きではなく、建物を解体して更地として売却したほうがいいのでしょうか?

ここからは、築年数が30~40年以上の建物が建っている場合、解体して更地として売りに出すのか、それとも古家付きとして売りに出すのか、それぞれの場合のメリット・デメリットについてご紹介します。

 

古家付きで売りに出すメリット

古家付きで売りに出す際のメリットとしては、買い手側が住宅ローンを利用しやすくなるということです。住宅ローンというのは、住宅を購入、または土地+住宅を購入の際に適用されますので、一括購入が無理な方や頭金を少しでも減らしたい方にとっては、ローンを利用できる古家付きはメリットとなります。また古家があった方が買い手側がイメージをしやすいということもあります。「だいたいこのくらいの広さの家が建てられて日当たりはこのくらい…」というイメージは、更地ではなかなかつきにくいものです。

他にも古家付きのメリットとしては、古家そのものに価値のある場合があります。古くても丁寧に使用されていた木造の日本家屋などは「古民家」としての需要もあり、そういった家に住みたいと考えている人も少なくないでしょう。

またさらに、建物を建てた当時から法律や行政の対応が変わっているため、同じ土地でも今よりもずっと小さな家しか建てることが出来なかったり、最悪の場合建て替え自体が無理ということもあります。そのような土地の場合は、建物を解体してからではなかなか買い手がつかないということが容易に想像できますよね。

 

更地で売りに出す際のメリット・デメリット

更地で売りに出すメリットとして挙げられるのは第一に流通性に富むという点です。買い手側としては、建物の解体にかかる時間や手間が省けますので、その分購入しやすくなります。

また、建物を解体して更地にしてからでしたら、地中のコンクリートガラや浄化槽や便槽などの地中埋設物の調査も事前に行うことができますし、土壌汚染調査などもしっかりと行うことができ、売買取引後のトラブルを未然に防ぐことができます。

しかし、更地にして売却するということは建物を解体する必要が出てきます。建物を解体するとなるとそれなりに費用も掛かります。それに固定資産税や都市計画税などの税金は建物が建っていた方が1/3から1/6もの軽減措置が適用されています。解体して土地として売り出す場合、売却までに期間がかかればその分の軽減措置の適用が受けられなくなってしまいます。つまり建物付きで所有していたときよりも負担が大きくなるということです。

 

古家付きで売りに出し、売れなければ更地にする

古家付き土地と更地では、それぞれにメリット・デメリットがあり、一概に「古家付きよりも更地の方が高く売れる」とは言い切れないようです。

そんな時にまずは「古家付き土地」として売りに出してみてはいかがでしょうか?その際には事前に解体工事の見積もりを取っておくことをお勧めします。

例えば、古家付き土地の売り出し価格が2500万円だったとします。それに対し買い手側が「解体費用が掛かるので2300万円にしてほしい」と言ってきたとします。

この時に、事前に解体業者から取った見積もりが100万円であったとしたら「それでは解体はこちらで行いますので、2500万円のままでいかがですか?」と切り返すことができます。事前に解体費用を把握しておけば、このような柔軟な交渉を進めることができます。

 

今回は土地の売却を考えている場合、建物を解体して更地で売りに出すか、古家付きの土地として売りに出すか、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介しました。

様々なケースはあるものの、初めから更地にして売却するよりも、古家付きとして売りに出した方が有利に交渉を進められる場合もあります。その際には、事前に解体工事の見積もりを取っておくことをお勧めします。

そして、古家付きではなかなか買い手が見つからない場合には、更地にして再度売りに出すなど、解体工事の必要性とタイミングを見極め、売却のチャンスを広げてくださいね。