解体が人を救う力に!解体前の建物を使って救助訓練


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みなさんご存じの通り、日本は災害大国です。気象災害から地震、噴火、そこから誘発して人為的災害まで幅広く困難が降りかかってきます。

特に地震に関して言えば阪神と関東で大震災が、それも二〇年の内に二度も発生していて、これは世界的に見ても類をみないケースだと言えます。「なぜ日本は毎度毎度、過酷な自然災害に巻き込まれているの?」(http://www.all-nationz.com/archives/1010246845.html)と、思わずネットで話題にしている外国人までいるほどです。

それには、島国であるということと、プレートが三点重なったポイントである三重会合点(トリプルジャンクション)が二つも国内に存在するということが要因として考えられます。単に運が悪いのではなく、災害の状況がそろってしまっているために、ありとあらゆる地殻変動の脅威に晒され続けてしまっているのです。

そんな災害大国の日本ですが、幸いに救助隊の質が高いと世界では評判です。そんな救助隊の質の高さに「解体」が、更なる躍進へと一役買いだしました。

 

従来の救助訓練

平成25年のことですが、滋賀県大津市真野の旧大津北消防署庁舎で国際消防救助隊の合同訓練が行われました。この隊には全国77消防本部の約600人が隊員として登録されていて、大津市消防局では6人が登録されています。

今回の訓練では約30名ほどが集まり、加えて滋賀・福井両県警の機動隊員も参加し、計約100名ほどが集まりました。

「中国でマグニチュード7.2の地震が発生し、倒壊したビルに負傷者が多数残されている」との想定で始まったこの訓練には、より実践に近づけて行うために「自由に手を加えていい」建物が必要でした。実際の災害現場では人命第一で、建物に気を使う余裕がないからです。

しかし、実際にそれを可能とした訓練は前例がほとんどなく、いま一つ実践から離れた位置で行われてきました。

 

解体を利用した救助訓練

そこで目を付けられたのが解体予定の建物でした。大津北消防署庁舎の建て替えが行われるということで、解体する旧庁舎を使用する許可が出たのです。

解体される予定の建物なので自由に手を加えることができ、削岩機やハンマーを使って壁や床を破壊するなどのより実践的な訓練を行うことが可能となりました。「急がず確実に」と声を掛け合いながら訓練は進行し、砕いた壁から救助者役を確保。訓練は無事、大成功の結果に終わりました。

 

訓練後の旧庁舎

訓練後、旧庁舎は解体されました。職員さんは「最後に大きな訓練に使ってもらえて、旧庁舎も大往生だろう。」と語ってくれました。

1978年から平和の矜持として在り続け、仕事を終えてなお後進の背中を押したその姿には、幾度の災害にも負けず立ち直ってきた日本の信念が宿っていたのではないでしょうか。

解体する、ということは、新しい可能性を創りだす、ということです。そこで終わるのではなく、新たなる可能性への指標として生まれ変わっていくのです。

 

弊社リバイブも名古屋市消防局に協力

名古屋市消防局のレスキュー隊も解体前の建物を利用して同様の救出訓練を行っており、協力させていただいています。

意見交換の場では解体の専門家として、この場合はコンプレッサーを使用した方が早い、ここは尖ったノミの方が効果的であるなど提案をして、実際の災害時に活かせるよう最適な方法をディスカッションします。

レスキュー隊のスキル向上に貢献できることを、大変光栄に思っております。

詳しいレポートはこちらhttp://www.revive.co.jp/pickup/post_3.html

 

今回、解体が人命救助の力になっていることをご紹介しましたが、いかがでしたか。解体が人命救助の役に立つということは大変喜ばしいことですね。地震にも耐える頑丈につくられた建物を壊すという作業には、常に危険が伴います。だからこそ救助訓練では、解体予定の建築物を使って、より実践的で質の高い訓練を行ってほしいですね。

近年では解体業界も大きな変化を見せていて、ミンチ解体と呼ばれる粗悪な解体が禁止され、分別のある丁寧なものとなりました。

特に、まごころ解体では再資源化に対してこだわりを持っているので、ムリムダムラを省くため解体作業を進めながらの分別を常に行うノウハウがあります。これによってお客様の想いを形として残す廃材アートが実現したのです。(http://www.revive.co.jp/magokoro/kodawari/haizai-art/index.html

救助隊に負けぬよう、まごころ解体もより一層の躍進に努めてまいります。