ミュージカル映画「ヘアスプレー」が見せる鮮やかな解体ショー!


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出典 http://www.enstarz.com/

今回ご紹介する映画は「ヘアスプレー」です。

1962年のアメリカボルチモアに住む少女トレイシーを主人公に据えたミュージカル仕立ての作品となっています。主人公トレイシーを演じるのはニッキー・ブロンスキー。

脇を固めるのはジョン・トラボルタや「ハイスクール・ミュージカル」で一躍大スターとなったザック・エフロンなど。歌と踊りにあふれた楽しく鮮やかな解体ショーをぜひご覧あれ!

 

ビッグな女の子トレイシーが、ボルチモアのすべてを変えていく!

主人公のトレイシーはとにかくビッグな女の子です。体がビッグならヘアスタイルもヘアスプレーをこれでもかと使って盛り上げたビッグヘア。そしてトレイシーは心もビッグ!

そんなトレイシーは終始周りを巻き込み、鮮やかに様々なモノを解体していきます。エネルギッシュな彼女が大好きなのは歌とダンス、そしてボルチモアで人気のダンス番組のトップダンサー・リンク。

物語は、彼女がそのダンス番組のオーディションに参加したことから始まります。学校をさぼってまで行った彼女ですが、太っているからという理由であしらわれてしまいます。

ここでボルチモアには根強い「スレンダー白人至上主義」ともいうべき物が染みついていることが鑑賞者に示されます。これこそ、これからトレイシーが鮮やかに解体するものに他なりません!

 

トレイシーがまいた「黒人差別」解体の種

物語の舞台となる1962年のボルチモアはいまだ黒人差別白人至上主義が色濃く残る街でした。

しかしトレイシーは、学校に遅れた罰として命じられた居残りのために向かった居残り用の教室で、イケてるダンスを踊りまくる黒人生徒たちと出会います。見たこともないダンスを踊る彼らとトレイシーはすぐに打ち解け、踊り始めます。

それを見たリンクがトレイシーに声をかけ、ダンス番組司会者コーニー・コリンズ主催のダンスパーティーに招待。ここでコーニーに気に入られたトレイシーは番組にレギュラー出演することになり、その初回で「すべての放送回を”ブラック・デー”にしたい!」と叫びます。

ブラック・デーとは黒人だけで構成された回で、逆にそれ以外の放送日に黒人が出ることはできませんでした。司会者コーニーはこの発言に刺激され、番組から差別をなくすことを考え始めます。

 

さらにトレイシーは「スレンダー至上主義」も解体する!

トレイシーが番組に出演するようになると、その明るさやダンスからたちまち番組の人気者になりました。さらに番組のスポンサーであるヘアスプレー会社も、トレイシーのビックヘアをまねる人が大勢出てきたおかげでヘアスプレーの売り上げが絶好調となり大喜びです。

こうしてトレイシーは世間に受け入れられ、スレンダー至上主義を解体することに成功しました。すると、今まで「スレンダーな白人」として人気を得ていたアンバーはダンス番組で孤立してしまいます。

それを見たアンバーの母ヴェルマは番組のプロデューサー権限を使って「ブラック・デー」を廃止することにしてしまうのです。ヴェルマはこの映画においてスレンダー白人至上主義の権化として描かれています。

 

トレイシーがまいた種が花開く! 「黒人差別」解体の時

「ブラック・デー」廃止を聞いたトレイシーは黒人仲間とともにテレビ局へのデモを行います。つつがなく進んでいたデモはひょんなことから警察沙汰になってしまい、トレイシーは警察に追われる身になってしまいます。トレイシーは黒人仲間の手引きで逃れ、身をひそめることに。

翌日、大イベントの「ミス・ヘアスプレーコンテスト」がダンス番組で開催されます。何が何でもトレイシーの侵入を防ぎ娘のアンバーを優勝させたいヴェルマはあらゆる手段を講じますが、トレイシーは侵入に成功。

歌とダンスで観客を魅了します。すでに会場の主役はスレンダーな白人の女の子ではありませんでした。誰もが主役であり、自由に踊ることができるのです! 

最後、番組司会者のコーニーは宣言します。この番組から一切の差別を排除すると!