パリピ達の大好物!!EDMが「解体」したJ-popの風潮


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出典 https://disc-j.net/club-music/edm/9457/

大学生をはじめとした若者の間でEDMというジャンルの音楽が大ブームとなっています。

最近では三代目JSBが大ヒット曲「R.Y.U.S.E.I.」に取り入れたこと、その次の新曲Summer MadnessにEDM界の象徴ともいえるAfrojackとfeatしたことが大きな話題を呼びましたね。

そんなEDMですが、みなさんはこれについてどこまでの知識をお持ちでしょうか。クラブでよく流れている、ノリがいい、等のなんとなくなイメージはあるものの、具体的にと言われると困ってしまう方が多いと思います。

そこで、今回はこのEDMについて詳しく解説した後に、EDMがJ-popのある風潮を「解体」したことによって「創造」した音楽の在り方について考察していきたいと思います。

 

世界三大EDMフェスティバル

「ULTRA MUSIC FESTIVAL」

1999年に誕生した同フェスは世界最大のダンスミュージックの祭典と呼ばれ、毎年マイアミで三日間開催されています。

近年では世界中で類似イベントが多く開催されるようになり、日本でも「ULTRA JAPAN」と称して開催され続けています。

同時期にWinter Music ConferenceとMiami Music Weekも開催され、この期間はマイアミという街が音楽一色に染まることになります。通称UMF。

「Tomorrowland」

2004年に誕生し、毎年ベルギーで開催される同イベントは 世界で最も動員数の多いEDMフェスティバルと呼ばれ、発売開始から僅か90分で18万枚ものチケットがソールドアウトしたという記録が残っているほどです。

世界的にポピュラーなDJが多く集まり、一つの会場内に20程度のステージを用意して開催されます。「アリス・イン・ワンダーランド」をテーマとしていて、来場者にまるでおとぎ話のような非日常空間を提供してくれます。

「Electric Daisy Carnival」

1997年にLAにて誕生した通称EDCは、2010年にラスベガスに移転し、世界中から多くの人々を集客する巨大ダンスイベントです。

ラスベガスモータースピードウェイというレース場をフェス会場とし、参加者は派手なコスチュームに包まれながら同イベントに臨みます。

レーザー、スモーク、遊園地、音と連動する花火と数多くの設備が整っているので、ド派手な演出が売りとなっています。

これら三つのフェスを総称して「世界三大EDMフェス」と呼ばれ、数多くのファン達から愛されています。
 

EDMが解体した音楽

そもそもEDMはエンターテインメントの場において人々を躍らせるという明確なコンセプトのもと、DJのツールとして作られた音楽です。

つまり、再生専用として作られているので、J-popで重要視される生演奏で行われるライブについては対応していないのです。もちろんEDMにも上記のフェスと呼ばれるライブはありますが、従来の生演奏で行われるライブとは大きく異なります。

それは先のコンセプトのこともありますが、近年になって音楽の在り方が変化しつつあることが要因となっているように思えます。日本では、口パクをはじめとしたライブ時の演技行為を良しとしない風潮がありました。

しかし、EDMで使用されるシンセサイザーやシーケンサーといった打ち込みの出現により、そこの感覚が変わってきたのではないでしょうか。

DJというのはサンプリングすることによって音楽を成立させています。

近年、アイドルの氾濫やダンスユニットの存在によって崩れつつあった日本人の音楽に対する価値観が、EDMの登場によって本格化してきたのだと思うのです。それによって明確化されるのが音楽の「存在意義」です。

本当に歌っているのか、本当に上手いのか、という話し以前に、人の心を動かすということが本来の音楽の在り方だったのではないでしょうか。その点EDMの人々を躍らせるというコンセプトは明確であり、あるべきだったはずの音楽の形をシンプルに物語っています。

EDMは複雑化した音楽の形を「解体」し、よりシンプルで本来の意味を含んだシンプルな音楽を「創造」したのです。

 

今回、EDMが「解体」し、本来の意義についてを明確化したうえで洗練した音楽を「創造」したことについて考察してきましたが、いかがでしたか。

難しい話を抜きにして感覚を重視する音楽は、音楽という本来の形を再確認できますね。

しかし、解体というのはここからが面白くて、解体したことによって新しく創造されるスペースが生み出されます。

つまり、EDMにはここからさらに創造される余地があるのです。最近のjustin bieberがそれに近いのではないでしょうか。

もちろん、この限りないシンプルな目的のためのEDMも完成されていますので、一つのジャンルとして確立された音楽が積み重なることで歴史は進んでいくのかもしれませんね。