空き家があるとどうして良くないの?


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空き家の近所に住みたい?住みたくない?

現在、全国的に計算上では、7戸に1戸が空き家になっていることになります。実際にお住まいの近所に空き家があるという方も多いでしょう。

もし、あなたが新居を探しているとして、何を基準に家探しをしますか?間取りや予算、通勤や通学の利便性、公共施設や交通機関の利便性などを重視されるのではないでしょうか?

では、そういった条件が全く同じ家が二軒あったとして、片方は、一般的な住宅街に立地、もう片方は、住宅街に立地しているが隣の家が空き家になっている場合、皆さんはどちらの家を選びますか?隣家が空き家かそうでないかの違いだけの場合、たいていの方が、空き家ではない家の方を選ぶのではないでしょうか?

隣家が空き家という条件は、なぜそんなにも敬遠されるのでしょうか?空き家があることで発生する問題について考えてみましょう。

 

空き家があると発生する問題とは?

誰も管理をしておらず、放置された空き家は傷みが早く、数年で老朽化も進行します。また、雑草が伸びたり、ゴミを投棄されたりといったことで景観も損ねてしまい、住人がいなくなって、たった数年で、誰が見てもわかる、問題空き家になってしまうのです。こういった管理されていない空き家では、大きく分けて4つの問題が発生します。

 

①建物老朽化による倒壊の恐れ

住人がいなくなった家は、風通しや換気が悪くなることから、内部に湿気が溜まり、その湿気が、木造の柱や基礎部分に影響を及ぼし、急速に老朽化が進行していきます。

また、空き家には築年数が30年以上経過しているような、古い家も多く、現在の耐震基準には達していない物件も数多くあると考えられます。そのため、小規模な地震や、台風、豪雨などで倒壊してしまう恐れがあるのです。

倒壊まではいかなくても、強風で屋根瓦が飛んで、けが人がでてしまったり、伸び放題の枝が折れて飛ばされ、ガラス窓を割ってしまったりといった被害が発生する恐れもあります。

 

②放火の恐れ

消防によると、現在発生している火災原因の一位は放火で、年間五千件以上の放火による火災が発生しています。

管理されていないと一目でわかる空き家は、周辺にごみや枯れ草などの、火がつきやすいものがたくさんあったり、放火犯が何より恐れる、人の目が届きにくかったりすることから、放火のターゲットとなりやすいのです。人目が届かない分、火災に気づくのが遅れ、近隣住宅まで延焼してしまうといった事態が起こりうるのです。

 

③雑草などの草木が茂ることによる景観破壊

人の出入りがない家は、たった一年で雑草が生い茂り、庭木の枝が伸び、ひどい場合には、通りから建物が見えなくなってしまうくらいになります。こうなると、管理されていない空き家だと、誰が見ても一目でわかるようになり、周辺の景観を損ねてしまいます。

また、木が生い茂ることで、蜂の巣が作られるなど、様々な害虫の発生源となってしまう恐れもあるのです。

 

④不審者など侵入の恐れ

雑草が生い茂り、建物が老朽化しているのが、外からわかるようになると、管理されていない空き家だと一目でわかり、不審者が侵入しやすい環境だといえます。

不審者が建物内部で不法に生活する、ゴミが不法投棄される、若者などの溜まり場になる、壁などへ落書きされるなど、関係のない不審者が、様々な問題を起こす可能性が高まってしまうのです。

 

割れ窓理論とは

割れた窓が放置されていると、その建物は手入れの行き届いていない建物だと認識されます。

そうすると、「誰も気にしてないみたいだしいいか」と、さらに窓が割られ、ゴミが不法投棄されたり、落書きされたりといった軽犯罪が発生するようになり、その周辺でのモラルが低下し、環境を悪化させ、やがて凶悪な犯罪が発生してしまいます。

この理論が、割れ窓理論と呼ばれるものです。
一軒の管理されていない空き家があることで、周辺へ悪影響を広げてしまうことになりかねないのです。

こういった治安の悪化を防ぐためにも、手入れされていない空き家を放置しておくことは、避けなければばらないのです。

 

このような空き家問題の解決のため「空き家対策特別措置法」という法律が施行されました。次回はこの具体的な内容について見ていきます。現在空き家を持っているという方は内容を確認してみて下さい。