逆転の発想!下を向いてるなら下に設置すればいい!歩きスマホ対策について
近年ではスマートフォンの普及によって歩きスマホと呼ばれる危険行為が増加してしまっていますが、ポケモンGOのリリースによりさらに深刻な社会問題として毎日取り上げられていますね。
歩きスマホはドイツでは死傷者を重ねるなどの被害がもたらされているようです。実際に昨年のドイツでは「smombie」という「smartphone」と「zombie」が組み合わさった造語が生み出され、若者の単語としてノミネートされるにまで至ってしまいました。
このように、新しく言葉が生まれるほどに影響力の高い社会現象として捉えられているのです。これに対策する形で、政府は地面に信号を設置、死傷者を減らそうという試みに踏み切りました。
そこで今回は、これまでの信号の常識を解体し、新しい時代に適応する形の創造を行った政府にフォーカスを置いて、事態の考察をしていこうと思います。
参考:http://gigazine.net/news/20160502-red-lights-into-sidewalks/
新しい信号が導入されるいきさつ
きっかけは15歳の少女でした。歩きながらスマートフォンを操作していた少女は路面電車と衝突し、その短い人生を終えてしまったのです。
大変悲しいことですが、このことは決して他人事だと言い切ることはできないでしょう。事実、少し街に出れば多くの歩きスマホを確認することができます。
人はその行為がどれだけ危険であるかを理解していても、自分は例外だからと棚に上げてしまう生き物なのです。
特にもはや社会現象と言ってもいいほどの普及を見せたスマートフォンは、その圧倒的な性能から場所を選ばずに作業を行うことを可能としました。能率、効率を何よりも重視する現代人ですから、歩きながらでも精度の高い作業を行うことができるのであればそうなってしまうのも仕方のないことなのかもしれませんね。
ですが、このことを仕方のないことで終わらせなかったのがドイツ・バイエルン州のアウクスブルクでした。歩きスマホを規制するのが難しいのであれば、それに市側が対応した対策案を打ち出せばいいという発想に至ったのです。
具体的には、地面にLEDライトを埋め込むという手段でした。このLEDライトは赤信号の役割を担っていて、点滅している際には歩行を禁止するという意味を持ちます。歩きスマホを行って歩いているユーザーはスマホの画面の方向、つまり下に意識が集中しているので、その意識の先に信号を置くことで強制的に信号の存在を認知させようというのが狙いです。
現在ではとりあえず試験段階と言うことで、多くの若いスマホユーザーが集まる大学近くの交差点の二つにこのシステムを導入しているようです。もしこれが実際に軌道にのって、一人でも多くの人の命を救うことができたのであればとても喜ばしいことだと言えますね。今後の動向に注目が集まります。
常識を解体し、時代の波に乗る
さて、今回の事例で注目したいのは、歩きスマホ自体を減少させようとしたのではなく、歩きスマホを社会現象として受け入れてそれに適応した形の対策を打ち出した、という点です。
これは人が良く陥りやすいジレンマなのですが、何かを行おうとするときに人は目的設定に対してあまりに無頓着すぎる場合が度々見受けられます。
今回のケースの場合だと問題は「歩きスマホ」という行為によって「死傷者・事故」が多発していることが問題です。ですので、別に「死傷者・事故」を削減する方法が他に存在するのであれば別に「歩きスマホ」という行為を減らそうと努力する必要は全くないわけですね。
しかも、歩きスマホはそれを基として造語が作られるほどに社会現象として世に浸透してしまっているわけです。そのような状況下で歩きスマホを規制することはとても困難で、時代に真正面から逆流するに等しい自殺行為と言えるでしょう。
ですので、今回の対策は時代に逆らわず、流れに合わせてスムーズに事態解決を試みた画期的なアイディアだと言うことができるのではないでしょうか。これまでになかったものなので、多くの批判が来ているという事実はあります。
ですが、変化する時代の流れを敏感に察知し、対策を立てるためにはこれまでの常識を解体するという勇気を持つ必要があるのではないでしょうか。常識に逆らうわけですから、そこには批判はどうしても生じてしまいます。
ですから、常識と時代、どちらの方に重きを置くかで行動の指針を決定すると言うことが重要になってきそうですね。
今回、ドイツの歩きスマホ対策について考察していきましたが、いかがでしたか。
これまでの考えにメスを入れ、新しい風を吹き起こすという行為はとても勇気がいるものです。
しかし、その結果得られる対価はとても大きなものなのではないでしょうか。いずれにせよ、一人でも多くの方の命が救われる結果となることを願わずにはいられません。
解体によって、より平和な世界が実現してくれるといいですね。