長すぎない?キャッチ―なブランド名の常識を覆すマーガリン
商品を広く売り出したいときに、重要になるのがネーミングです。キャッチ―でインパクトのあるネーミングの商品名やブランド名は消費者の心を掴み、瞬く間にヒット商品を打ち出すものです。ところが、そんなネーミングの常識に囚われることなく、自由過ぎるブランド名のマーガリンが販売されています。
長すぎるブランド名を改名することに
キャッチコピーやネーミングは、商品をヒットさせるために重要なものであるため、発想力が試されます。
商品の素晴らしさはもちろんのこと、ネーミングセンスがその売れ行きを決めることもあり、どこの企業もネーミングには手を抜けないと言えるでしょう。
食品から家庭用用品までを製造・販売している、オランダとイギリスに本拠地を置く企業「ユニリーバ」。
1930年、イギリスのリーバ・ブラザーズという石鹸会社とオランダのマーガリン・ユニというマーガリン製造会社が合併してできたのが、現在の「ユニリーバ」の始まりです。
話題になっているのは、世界の180ヵ国以上に支店を持つ多国籍企業「ユニリーバ」のアメリカ法人が販売しているマーガリン。
苦戦しているマーガリン製造・販売分野ですが、ヒットして欲しいと願うあまり、あまりにも長いブランド名が付けられています。
「I Can’t Believe It’s Not Butter」(バターじゃないなんて信じられない)という、長たらしいネーミングを持つブランドは、このほどブランド名の欠点に気づき、ブランド名を改名することにしました。
さらに長すぎるブランド名の誕生
マーガリンブランドの「I Can’t Believe It’s Not Butter」(バターじゃないなんて信じられない)は、このほど「I Can’t Believe It’s So Good …For Everything!」(すべてにとっても良いなんて信じられない!)というブランド名に変更されました。
古いブランド名よりも、さらに長くなってしまっている新しいブランド名にお気づきになったでしょうか?
一般的に、ブランド名はキャッチ―かつ子どもでも覚えやすい、語呂の良いネーミングがなされるものです。
しかしながら、新しいブランド名は語呂の良さなどまったく追求せず、センスの良いネーミングをしなければならない、という世間の既成概念を打ち壊してくれるものだと言えるでしょう。
キャッチ―さなど微塵もない、このブランド名がなぜ採用されたのかは大きな謎です。
インパクトはあるけど言いにくい
新しいブランド名は、インパクトもあり、話題性は十分なのではないでしょうか。
植物性油脂を使ったマーガリンが、トーストに塗るだけではなく、揚げ物にもお菓子作りにも、そしてお料理にも使えることを大きな声でアピールしたい、そんな切々した製造会社の気持ちが伝わってきます。
もちろん、多くの人がただのキャッチコピーだと勘違いし、ブランド名であることには気づかない可能性もあります。
また、このブランドのマーガリンを購入したくても、『「I Can’t Believe It’s So Good …For Everything!」(すべてにとっても良いなんて信じられない!)のマーガリンをください』とは、なかなか言いにくいのではないでしょうか。
マーガリンを売るための苦肉の策
マーガリンは、体に悪いと言われています。それは、マーガリンを作る工程で発生するトランス脂肪酸のせいです。
トランス脂肪酸は、過剰摂取することで悪玉コレステロールが増え、肥満や心疾患、ガンや糖尿病などのさまざまな疾患を引き起こすとされています。
すでにショートニングはアメリカで使用禁止になっていますが、どうやら2018年には、トランス脂肪酸の使用も全面的に禁止されることになるようです。
マーガリンの売り上げが落ちている中、「ちょっとくらいはマーガリンを食べても大丈夫」だとアピールし続けるマーガリン製造会社。
「I Can’t Believe It’s So Good …For Everything!」(すべてにとっても良いなんて信じられない!)は、トランス脂肪酸の使用が全面禁止になる前に、一度は直接お目に掛かりたい、そんなブランドです。