社会性ゼロはウソだった!ニューヨークで働く猫たちの写真集


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出典:http://www.boredpanda.com/

猫は犬に比べると、社会性のない動物に思えるのではないでしょうか。自由気ままに生きているように見える猫ですが、どうやら社会性がないと思うのは偏見だったようです。アメリカの二人のフォトグラファーが、ニューヨークで働く猫たちを撮影し、素敵な写真集に仕上げました。

 

そんなにいるの?40匹以上もの働く猫たち

フォトグラファーのアンドリューさんと友人のタマルさんは、2016年の夏、写真集を作るためにニューヨーク中のお店で働く猫たちを撮影するプロジェクトに着手しました。

実際に猫がお店にいる様子や、お客さんと触れ合っている様子が撮影された写真は、自由気ままに生きている猫のイメージを軽く覆してくれます。

日本でも、駅長を務める猫がもてはやされた時期がありましたが、ニューヨークで働く猫たちは、ごく自然に職場に溶け込んでいる様子が伺えます。

アンドリューさんたちが撮影した猫たちは、いずれも名前が付けられており、仕事場を自分の居場所としてわきまえているかのような表情を見せています。

お客さんに媚びることはないかもしれませんが、職場で活躍する猫たちの姿を眺めていると、猫が社会性がない生き物だなんてまったくのウソだ、ということが理解できるでしょう。

 

9年間も皆勤賞のボボ

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出典:http://www.boredpanda.com/

律儀な猫もいるらしく、なんと9年間一度も休まずに「出勤」している猫もいます。ニューヨークのチャイナタウンにある中華食材のお店に勤務するボボは、仕事とお客さんをこよなく愛する猫のようです。

ボボと同じ職場に勤めるアニーさん(人間)は、2014年に同店で働き始めましたが、ボボの働きぶりは彼女のそれをしのぐとさえ述べています。

お店の入り口でスタンバイし、入店したお客さんに挨拶するボボは、皆勤賞であることも含めて、ナンバーワンスタッフであることには間違いなさそうです。

その証拠に、店のスタッフたちからは「店の王様」と呼ばれており、もっとも模範的なスタッフとして敬意と尊敬を一身に集めています。

「店の王様」であるボボは、熱心な接客をする模範的なスタッフですが、仕事中に失敗をしないわけではありません。

陶器の皿や茶器をも扱っているこちらの店では、ボボがうっかりお皿を割ってしまうこともあります。しかしながら、優秀なスタッフの特権に免じて、「壊した者が買うこと」というお店の規則を免除されており、失敗にめげずにのびのびと働いているようです。

ボボが働き始めるようになったきっかけは、店の従業員に拾われてきたから。以来、この店を自分の居場所として認識するようになり、現在に至っています。

 

ニューヨーカーのイメージもガラリと変わる

「Shop Cat Of New York」の写真集を見ると、猫のイメージと同様に、ニューヨーカーへのイメージも一新されます。

いつも忙しくて活動的、早口英語で人をまくし立て、トレンドに敏感な人々というイメージのあるニューヨーカーですが、写真集を見る限りでは、のんびりと仕事をしている様子が伺えます。

日本の職場で猫を飼うとなると、きっと猫好きな人ばかりではないために、「カンカンガクガク」と議論が繰り広げられるのではないでしょうか。

もちろん、猫が好きか嫌いかにかかわらず、「仕事場」に猫が存在することの是非が問われることになるはずです。そして恐らく、職場に猫は必要ない、という結論に辿りつくところがほとんどでしょう。

しかし、猫と共に働くニューヨーカーの姿は、とてもナチュラルで、彼らの懐の深さを感じさせてくれます。

タバコ屋で働く猫もいれば、ブティックや靴屋で働く猫もいます。薬局で働いている猫もいれば、レコード屋や本屋で働いている猫もいます。

それぞれの猫にそれぞれのストーリーが隠されており、猫好きであっても、そして取り立てて猫が好きではない人だったとしても、楽しめる写真集になっています。