赤ちゃんにとって「破壊すること」はなぜいいのか?


ed8295cf136ff9abfa80c1e1042bc03e_m

小さい子が、積み木遊びをしている姿、見ているだけで笑顔になってしまうような、ほほえましい光景ですよね。

昔から、積み木遊びは、幼少期の遊びの定番となっています。出産祝いのプレゼントとして、贈られたことがある方も多いのではないでしょうか?積み木遊びには、遊びとして子供が楽しめるといったメリットのほかにも、子供の成長にとって、たくさんの効果がある遊びなのです。

では一体、積み木遊びのどのような点が、子供の成長によいのでしょうか?

 

積み木を積むことによる効果

積み木には、ブロックのような凹凸がありません。そのため、積み木の一つ一つが、しっかりとかみ合うことはなく、落ちないように積み木を重ねるためには、微妙な力加減と、積み木同士の角を合わせるなどのバランス感覚、細かい指の動きなどが必要となってきます。

積み木を積むという簡単な動作だけでも、バランスや力加減などを考えることが必要となり、小さな子供が積み木を積むことで、無意識のうちに色々な調整をすることを覚えていくのです。

また、少し大きくなった子供たちは、積み木を色々なものに見立てて遊ぶことを覚えます。例えば、積み木を積んでおうちを作ったり、並べた積み木を線路に見立てたりといった遊びです。

家の形にするためには、積み木をどう並べるのがいいのか想像し考えることで、創造力が養われます。また、その想像を形にするためには、集中力や、きちんと積み木を積む、バランス感覚、手先の器用さも培われていくのです。

そして、想像通りに積み木を積むことが出来たときには、達成感を味わうことができ、子供の感情を豊かにします。

 

積み木を崩すことによる効果

想像力を働かせ、バランスを考えて、一生懸命積んだ積み木。これを崩すことも、子供たちは大好きです。思いっきりなぎ払って、積み木があちこちに飛んでいってしまったり、ガッシャーンと派手な音を立てたり、傍で見ていると、せっかく作ったのにと思ってしまいますが、作ったものを壊すこと自体を、子供たちは楽しんでいるのです。

積み木を積むよりも、壊すほうが、大きな音が出たり、予想外の崩れ方をしたりといった、刺激が大きく、これも子供が壊すことが好きな理由かもしれませんね。

積み木を壊すことを繰り返すうちに、どのくらいの力加減で壊れるのか、また、高いところより、低い位置や基礎の部分を崩すことで、簡単に壊れてしまうことなどを学習します。ただ壊すだけでも、その経験から子供たちは様々なことを学習していくのです。

 

壊すことは悪いこと?

先に述べたように、子供たちは、壊すことも遊びとして楽しんでおり、その経験からたくさんのことを学習していきます。

大人が一緒に遊んでいると、ついつい「壊しちゃだめよ」とか「こうやって作りなさい」などと指示をしてしまいがちです。しかし、こういった周囲からの干渉が多く、自分の思う通りに積み木遊びができなかった子ほど、積み木遊び自体が嫌いになることが多く、また、自分で想像し、自分で色々と工夫して、一つのものを作り上げることが苦手になってしまうようです。

大人目線で見ると、意味のない破壊行動ですが、子供にとっては、そこからたくさんの経験を得ることができる、大切な行動だといえるのです。

 

壊す、崩すというと、どうしてもネガティブなイメージを抱いてしまいがちですが、子供にとっては、壊すことも大切な学習の一つなのです。壊すことによって、新しいものができる。壊すという行動があってこそ、新しいものを創り出すことができるのです。

また、壊すことは、壊れてしまうことを知る行動だともいえます。自分が一生懸命作ったものを、壊されてしまったりすることで、他者との関係性やコミュニケーションも学んでいきます。

そして、物が壊れてしまうことを学習することで、壊さないように大切に扱うことも同時に学んでいくのではないでしょうか?

子供が本来持っている力を伸ばしてあげるためにも、壊すことをネガティブに考えず、見守ってあげることも必要なのではないでしょうか?